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とんぼ玉作家ガラスのさかなの「タワゴト日記」

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そうだったのか・・・・・・

 先日、三宮KCCでは、銀箔の玉を作りました。

 発色がよくわかるように、暗めの透明を地玉に巻きまして。
 地玉の色が、銀箔とどんな反応をするのか、はっきりわからないため、とりあえず、鉛ガラスのクリアを薄く表面に塗って、均します。
 そして、銀箔と反応すると、緑色になる金赤を、適当な模様になるように、クリアの上に乗せて均します。
 そのあと銀箔を巻き・・・・・・
 以下、細かいところは省略。

 銀箔の玉を作るときには、2つの説明が必要です。
 「還元」と、「コロイド発色」です。

 銀箔を地玉に巻いた後、しっかり密着させて、そのあとしっかりと酸化炎で焼くと、銀箔は、ガラスに溶け込んで見えなくなります。
 たとえば、この時に、空気が少ない還元炎に入れると、銀色の光沢が戻ります。
 銀箔の時、金属状態だった銀は、酸化されて、銀イオンになります。
 この銀イオンが、還元炎で焼かれることで、還元されて、金属状態に戻ります。
 で、銀色が見える。

 さて、銀箔の発色、このメタリックな色もきれいなのですが。
 個人的には、もう一つの発色の方が、好きです。
 それは、「コロイド発色」。

 ガラスに溶け込んだ銀は、うまくコントロールすると、コロイドという状態の微粒子になります。
 ジワジワと焼くと、コロイドは、少しずつ、大きく成長します。
 このコロイドの粒子のサイズによって、違った色に見えます。
 最初は、青、次には、緑、そして、黄色、黄土色。
 焼きすぎると、最後には、黄土色になってしまいます。
 そのため、ガラスの世界では、黄土色になることは、あまり好まれないようです。

 サタケガラスとエアバーナーで作業するとき、青や緑の状態は、ごく短く、すぐに、黄色や黄土色になってしまいます。
 なので、青や緑が効果的に発色した状態で止めて、玉が完成したら、大成功!って気分になります。
 あ、でも。
 日本人は、この黄土色も、好きな人が多いです。
 渋い発色になりますもんね。


 と、そんなコロイドですが。
 高校の化学の時間に聞いたよねえって思う。
 コロイド溶液に、ライトを当てると、光跡が、くっきりと見える。
 ↑チンダル現象というようです
 普通に溶けた溶液の状態では、光跡は見えません。
 コロイドは、単体の分子や、原子よりも、大きな粒子で、それが、水の中などに浮かんでいる状態らしいです。
 なんとなく、そのくらいの理解しかしてなかったんですが。

 三宮クラスの生徒さんが、化学分野のお仕事をされていた人なんです。
 で、初めて知った、銀コロイドの真実。
 って、化学分野の人にとっては、常識なんでしょうか?(^^;

 で、その驚きの事実を、ブログに書こうとして。
 ふと、一般的なコロイドって、何だっけかなと思って、ネットで調べてみました。

 「コロイドは、一方が微小な液滴あるいは微粒子を形成し(分散相)、他方に分散した2組の相から構成された物質状態である」

 まだ、こんな書き方は、やさしい方です。
 2つの相があって、一方の相が、もう一方の相の中で、分散して浮いている状態、みたいな、なんかの問答みたいな書き方になった物もあって。
 混乱して、書くのをやめました。

 ランちゃんの散歩中に、ああ、そういうことかって、なんとなく飲み込めたので、ブログに書くことにしました。


 三宮教室で・・・・・・
 「え?とすると、銀コロイドというのは、銀の原子同士は、金属結合で化学的に結合しているんですか?」
 「そうです。」

 そうだったのか・・・・・・

 初めて知った、銀コロイドの真実でした。


 銀コロイドの模式図は、Agと書かれた球体が、寄り集まっている図だったりします。
 でも、もや~っとしてたんですよね。
 寄り集まってるって、何なん?
 と、そのもや~っとを、その生徒さんに聞いてみたんです。
 で、知ってしまった、金属結合。

 ということは、銀コロイドの粒子というのは、銀単体の状態ではなくて、金属状態の銀の塊なんです。
 その粒子が、うんとうんと小さい。
 めっちゃ大きいのが、銀箔だったり、銀の板だったりするわけですが。
 銀コロイドというのは、そういう微粒子が、ガラスの中に、分散して浮かんだようになって、たくさんある状態。
 で、この粒子に光が当たると、銀コロイドの粒子が、吸収しやすい波長は吸収されて、吸収されなかった色が、発色として見えるのです。

 そうだったのか・・・・・・銀コロイド。 



 ああ、そしたら。
 新たな疑問が湧いてきます。

 マヨネーズもコロイドってことです。
 油が、水の中に浮いているのか、水が、油の中に浮いているんだか。
 この水と油をつなぐものは、親水基と親油基を持った界面活性剤の働きをするものによるというのは聞いたことがあって、なんか、そういうイメージで、腑に落ちます。

 だったら、小さな金属の塊の粒子の一番外側は、どうなってるのん?
 どうやって、ガラスの中に分散されているのん?
 いやさ。
 還元して、メタリックになった時に、金属状態になったから光るんだと思っていたけど。
 コロイド粒子だって、内側は、金属状態なのに、メタリックじゃないんだね。
 そもそも、メタリックな光沢って、光がどういう風に通ってくるから、メタリックなん?
 とんぼ玉の表面に、ごくうっすらと戻って来たメタリックな光沢は、銀によるものとすると、玉の表面の薄い銀は、一面で、お互いに金属結合をしているってことなん?

 ああ・・・・・・謎が深まってしまった。(TT)



 ま、でも。
 色を出すためには、作業工程が理解できていれば、コントロールできるというものです。
 でもなあ。
 メカニズムが分かったら、もっと、ビミョーなコントロールができそうな気がします。


 ところで。
 一つの相が、もう一つの相に分散されて浮かんでいる状態。
 だとしたら、宝石のオパールの遊色も、コロイドによる物ってことになる。
 ああ、だから。
 銀箔のコロイド発色に惹かれるんだね。
 ホンマに、ビョーキなくらい、オパール好きなもんで・・・・・・(^^;


 そんなこんなで。
 ブルー~グリーン~イエローのグラデーションにうっとりしつつ、今日もまた、銀箔の玉を作っていました。
 今日作っていた玉、めっちゃ好きな感じです。
 多くの人が好きなパターンかどうかはわかりませんが。
 出来上がりの3ミリ幅、1センチ長さくらいのグラデーションに、うっとりしてしまいました。
 そこか?って感じですが。
 「そこ」なのが、私だけやったらどうしよう。(^^;
by glass-fish | 2013-03-17 23:52 | ガラスのウンチク