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とんぼ玉作家ガラスのさかなの「タワゴト日記」

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熱の履歴・・・・・・その①

 立体の割れる割れない話を、書こうと思ったのです。

 あ、辛気臭い可能性が高いので、興味のある方だけ、読んでください。

 が、書き始めて、想像以上に難しかった。
 自分自身が、どんなふうにガラスを見ているのか、根本から考え直すことになってしまった。
 なんとなく、これはいけないと思っていることがあったとして、それは、何がきっかけだったんだろうなあと、思い返す。
 そうすると、記憶の奥底にしまいこまれた、割れちゃった体験が、無数にあることに気づいたのです。

 私は、とんぼ玉を習う前に、吹きガラスと、フュージングを習いました。
 フュージングの一番最初に、徐冷についてと、電気炉のプログラミングの話を、聞きました。
 1時間ちょっとくらい。
 で、ガラスの中にできてしまう、歪についての知識が入ったわけなのですが。
 一方で、吹きガラスを同時並行で習っていて、その時の、無数の割れる割れない体験と、ガラスの中にできる、歪の話が結びついてきたのです。

 そんなこんなで。
 ガラスとは、徐冷というものをしっかりやらないと割れると、刷り込まれていきました。

 バーナーはというと、早くから買っていたものの、フュージングのためのケーンづくりに使おうくらいしか、考えていませんでした。
 一度、ハタタテハゼの立体を作ろうとして、散々なことになってから、ああやっぱり難しいんだなあと思って、すっかり棚上げしてしまったのです。
 その後、何を思ったのか、エアバーナーKR-3で、モレッティを使って、フュージングに使う、魚のムリーニを、我流で作り始めました。
 立体と違って、出来上がり品は小さいし、それをガラスに焼きこんで、というフュージングの工程を経ることで、電気炉の中で徐冷された完成品ができるだろうってことで。

 その後、とんぼ玉を始めます。
 が、まさか、これほど、比重がとんぼ玉に移ってしまうとは、その時は考えもせず。
 で、その時に、カルチャーショックを受けます。
 とんぼ玉って、こんなアバウトな徐冷でも割れないんだ!

 とんぼ玉の徐冷が、フュージングや吹きガラスと比べて、比較的おおらかな感じでも、割れない理由に、気づくことになります。
 それは、3つ。
 ①小さいこと
 ②球体であること
 ③鉛ガラスが、歪などの引張に、比較的強いらしいこと

 さらに、最近では、徐冷材の性能が良くなったことで、ウチの教室で、最近とんぼ玉を習い始めた人たちは、ほとんど割れる経験をしなくなりました。
 正確にいうと、完成まで出来上がってしまえば、徐冷中や冷めた後に、割れてしまう体験をしなくなりました。
 教室では、ソーダガラスと鉛ガラスの使い方で、最初は鉛ガラスだけで、安全に作る課題から入るからでもあるのですが。
 作業工程や、中身が複雑になって、初めて割れる体験をします。
 で、びっくり!

 そのせいか、私が、もっともっとガラスって割れると思っていたときの感じ方は、ほとんどされてないんだろうなあと思うことが多くなりました。
 で、いろんなところで、とんぼ玉を習った流れの先で、立体を作るということを習わずに、立体を作る人が増えたなあと感じるのです。
 生徒さんたちは、それを目にしているせいか、意識の上で、立体を作ることのハードルが下がっているのかなあと、思うことも多くなりました。

 あ、説教臭くなってきた。(^^;


 自分の作品に関しても、教室の課題にしても、まるから離れることに関しては、ずいぶん長い間、慎重でした。
 でも、立体のハタタテハゼの一件からも分かるとおり、立体を作ることは、憧れだったのです。
 本を買い、デモを見に行き、ワークショップを受け、デモを見に行き、デモを見に行き。
 ああ、どこまでできたら、自分なりの封印を解いたらいいんだろう。
 長い間、そんなことを考えてきました。

 とんぼ玉を作ることと、立体を作ることには、スキルの上で、大きなギャップがあると、ずっと考えてきたのです。

 この頃は、教室でも、ある程度はやっています。
 くまの顔とか、ペンダントトップのループとか。
 くまの顔などは、まあ大丈夫と思うのですが、ループに関しては、まだどこかで、ホンマに大丈夫?と思っているフシが、あります。
 もっとも、自分の作品に関しては、不特定多数に買っていただく可能性がある、売り物なので、さらに、封印してきました。
 最近やっとですね。
 このくらいまでなら大丈夫って、思えるようになったのは。

 日ごろから、説教臭い部分が多分にあるので、何人かは、このめんどくさい話を、何度も聞かされているのですが・・・・・・
 でも、それって、機会があった人の一部なんですよね。
 しかも、割れないためには、これだけはやろう!っていう話ではなくて、割れるもんだよ~まるから離れると!って、辛気臭い切り口の話。(^^;
 その一部の人を除くと、あんまり、そんな話をする機会もなかったなあとか。

 ペンダントトップのループに苦戦する人、立体のねこちゃんが割れちゃった人、「ガラス内部のストレス」という話を聞いたとき、ストレス(=応力)が、物理学的に、定量的に数値化できる量だということを知らなかった人。
 いや、ストレスに関しては、知ってる人の方が、少数派だと思うんですけど、ということは、私が、まったくちゃんと説明してこなかったんだなあと、そのことで、またあらためて思ったというか。
 まるを離れない以上、あんまり、理論的なところは、必要ないかなあと、どこかで思っていたのだと思います。
 ただ、まるを離れなくても、他の要因で、割れるなどが起こった時も、それに、いよいよ丸を離れてきたときも、理論的なところが分からなくては、ただただ、わけが分からないまま、割れてしまうってことがあり得るなあって。
 で、たまには、まじめな話も、ブログで書いておこうかなあと、この頃感じるようになっていたんです。


 とはいえ、今回、割れる割れない話をいざ書き始めると、内容も、ボリュームも、壮大になりそうだし。
 切り口を間違えると、進まなくなるし。
 ってことは、自分がつぎはぎに持っている感覚を、体系的にとらえようとしたときに、その切り口では、違うってことだし。
 ああ。
 ほんと大変。(TT)
 でも、無理でしたというのは、嫌だし。
 この機会に、体系的に、分析しておきたい気持ちも出てきたし。
 そう、分析が、うまく行かなかったで、棚上げするのが気持ち悪いし。

 前置き、長い!


 という訳で。
 あれ、内部のひずみの話から、全部書くんでしょうか?私。(^^;


 その②に、続きます。
by glass-fish | 2013-07-04 01:35 | ガラスのウンチク