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とんぼ玉作家ガラスのさかなの「タワゴト日記」

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軽く見られたもんよ

 って、いきなりタイトルが、ケンカ腰。(^^;

 こないだから、シュークリームが嵩上げ商品で、がっかりした話とか、完璧が当然というスタンスからの報道ってどないなん?話とか、書いている流れで、ついでに書いておこうと思う。

 この頃の不満。

 いつだったかブログに書いたか、いや、辛気臭いので書きかけてやめたか。
 大手スーパーのデザートコーナーで、デザートを買おうとして、しょぼぼんとなって、買えなかった話。

 あの頃、まだ、相当神経質に原材料を見る癖があった。
 それで、デザートの原材料欄を見ると、やたら目につく原材料名が、「乳等を主原料とする食品」というものだった。
 で、これが、1番最初とか、最初から3番目まで、とかに書かれていることが多い。
 この表示が気に食わないからデザートを買わないということであれば、ほぼ、買えない。
 いつからこんな表示になったのか?

 そこへ持って来て、シュークリームの原材料の欄の最初に、「ホイップクリーム」という文字を見つけた。

 これは、何を意味しているのだろう?

 あ。
 めっちゃ長くなる予感。(^^;

 以前、食品偽装問題で大騒ぎになったことがあった。
 その時に、何人かの生徒さんに聞いて知った話。
 というか、ドラマの中で、そういうところの葛藤が描かれていたことがあったなあと、思った。
 というのは。
 いわゆる料理を提供するお店で、割と高級なところでも、素材そのままを入手して、一から料理しているばっかりではなくて、ある程度下処理をした加工品を、素材として使うことが多いということ。
 まあ、当然と言えば、当然で。
 究極を言うと、すべて自分所でやると、手間分まともに乗ってきたら、お料理の価格は上がってしまうことになる。
 少しでも売値を安くするために、加工品を使う。
 今は、そういう時代だということだ。

 なので、加工工場も、原材料に、加工品を多用する、そういうことが、割と普通なんだ。
 それも、まあ良いとしよう。
 専門的に、「乳等を主原料とする食品」を加工するのが得意な、エキスパートな加工工場があるということだ。
 その、下処理が済んだものを、原料として使いました、っていうだけだから。

 だけどね。

 原材料欄というのは、たくさん使ってある物から順番に書かれているんだよ。
 その、一番に書かれているもの、「ホイップクリーム」とか、「乳等を主原料とする食品」とか、その内訳を書かなくて良いっていうのは、どういうことや!
 日本の法律が、今の食品加工の現状に、全く追いついてないってことやんか!

 怒るのはなぜか?
 私が、庶民だから、高級品ばかりを食べてはいないということ。
 便利だから、加工品を、食べる機会が非常に多いということ。
 加工品を避けて暮らすのは、生活に相当手間暇かけないと難しいよね。
 そして、圧倒的に、加工食品がたくさん出回っているという現実。
 だからだ。
 必要なものだから、表示が曖昧なのは、納得できないんだ。

 以前、食品添加物にハマった折にも、植物油脂の過剰摂取問題にハマった折にも、原材料欄をやたら見ていた。
 その時は、添加物と植物油脂に、すごく関心が行っていた。
 ただ、この頃は、それよりも、広くて大きな意味で、ちゃんと表示が欲しい。
 大枠で、中身はなんなのか?
 ちゃんとした、栄養価のあるものが、どのくらい入っているのか?
 そういうザックリ何なん?みたいなところを、分りたいという欲求だ。

 勝手な予想だけど、ヨーロッパなどでは、加工食品を原料に使っても、その内訳を表示する義務があるんじゃないでしょうか?
 だから、最初に書かれている原材料が、既に加工品だった場合、その原材料を記載する義務がないだなんて、欧米じゃ、あり得ない気がするけど。

 そんな加工品を一番に書かれてたんじゃね。
 要は。
 分からへんっちゅ~んじゃ!!!
 中身、何なんか、教える手間くらい、惜しむなよ!
 やましいもん使ってるわけじゃないんやろ!

 ってことです。
 は~。

 やましい物使ってるかどうかですけど。
 ちゃんと表記されて、中身が何なんか、今よりわかってしまうと、原価の安い、安上がり食品を口にしている現実を、突きつけられることになるに違いないと思う。
 それでも、現実を直視したい人には、直視できるチャンスが欲しい。
 見たくない人は、見なければいい。

 そういえば、別メーカーのシュークリームの材料欄の最初は、「シュー皮」だった。
 そして、シュー皮の原材料の内訳の主なものは、シュー皮の後ろに、カッコつきで書かれていた。
 それは、税抜98円。
 ただ、内訳を書くところに、ちょっと、メーカーの良心を感じた。

 シュークリーム税抜78円。
 原材料欄の最初が、ホイップクリーム。
 そこで、シュークリームも、変わったもんよと考えた私が、次に考えたことは。
 メーカー側の悲哀だった。
 大手スーパーに、大概置いてあるシュークリームなんだけど。
 もしかしたら、価格が安くて見栄えの良い物を作ることへのプレッシャーが大きいのかも知れない。
 そして、ホイップクリームの中身の内訳を詳しく書かなければ、関心のない人に、原価が安いんだよっていう現実を、知られないで済むってことで。
 まあ、消費者に、夢を与えているっていうか。
 見場の良い、中身の詰まってない、ふわふわした満足感を、消費者に提供しているというか。

 裏返して言えば。
 今の多くの消費者が求める物を、具現化すると、こんな形になりましたって、言えるんじゃないでしょうか?

 サラダに青虫。
 そら、おるわ。
 サラダ頼んだら、3回に1回は、入っとるねん。
 ってことだと、そこでは、サラダは頼まないと思う。
 でも、一定の比率以下なら、めったに当たらないなら、良しでしょう。
 青虫入ってたら、そのサラダバーのサラダを、すべて廃棄しないといけないのか?
 そこを、もうちょっと、考えてみるべきだ。

 そこを大騒ぎしてみて、何だったのか、考えてみる機会があるのは、一つのチャンスと考えていいかもしれない。

 もう一歩踏み込んで、そもそも、どんな原材料の物を食べているのか、もっと関心を持っても良いんじゃないでしょうか?
 関心が低すぎて、いつの間にか、エライ安物の原材料がどど~んと使われていながら、そこそこ見栄えは良い物を、安くて良いものと信じ込んでいるとしたら、それが、今の日本人の多数派なんだとしたら、日本人の価値観は、えらく残念なことになってやしないでしょうか?
 というのは、原材料の主なものが加工品なら、そこの内訳が分からなくてもOKなんて表記がまかり通っていて、それを許しているということが、その証明のような気がするのです。

 私自身は、丁寧な暮らしをしてはいないと思います。
 衣食住にかける時間が、とても少ない。
 お掃除も、手抜きです。
 加工食品も、めっちゃ摂ってます。

 でも、気になるんです。
 なぜか?
 身内が年を取ると、あちこち、体に悪いところが出て来ます。
 それは、将来の私、ってことです。
 まあ、年と共に、現実を突きつけられてしまった、そういうことです。
 きっと、若くて健康なうちは、ピンと来ないんだろうなあという気はします。
 私もそうだったから。

 パンケーキの流行に、小さな夢を見るのも、良いとは思うんですが。
 中身を考えたら、多分、シュークリームと似たり寄ったりです。
 食べてますし。
 でも、そんなにもてはやすほどの物か?と、思います。

 中身は何なん?っていうところの関心が薄いんやろうか?と、マスコミの騒ぎようを見ると、つい思ってしまいます。
 「次は何が来る」とか。
 「ハンバーガーにナイロン片入っていた」とか。
 マスコミ、薄い!

 きっと、もっと丁寧に暮らしている人はいるはず。
 そう信じたいですが。

 価格が安い物の中身が、安物になることは、想像できるし、そのことをゴネようとは思わない。
 それなのに、メーカー側は、安いことを隠して、見栄えや雰囲気や空気感で、良いものに底上げして見せようとしているのか?って、思ってしまう、あの表示。

 軽く見られたもんよ!

 ただ。
 ナイロン片が入っていたことを、どう報道しているのかを考えると。
 当然のように完ぺきを求めるのが、今の世の中の価値観だとしたら。
 今の世の中の価値観は、「モンスター」だと言える。
 いや、決して多数派だとも思いたくないけど、モンスター級の人が、昔と比べて比率が増えて行っているのが背景にあるとしたら・・・・・・
 そこまで言ってしまっては、そりゃ、メーカーだって腰が引けちゃうだろうし、見場よく表示しようと思うのは当然だ。

 バブルの頃、思った。
 なんでもできる。
 なんでも欲しいものは手に入る。
 世間は、そんな錯覚に陥ってるんじゃないか?
 でも、そうじゃない。
 貴重なクマノミが欲しいからって、野生のクマノミを、イソギンチャクごと持ち去ってたら、すぐにいなくなる。
 この世には、数が少ないからこそ、私が欲してはいけない、そういうものもある。
 貴重で珍しい食べ物は、きっと、庶民が買えるほどの数は揃わない。
 だったら、それは、欲しないで良いんじゃないだろうか?

 その後、不景気な時代になった。
 そして、安くても良い物を、求めている時代になったような気がした。
 でも、それは、まやかしです。

 そこそこの価格で、そこそこ手堅い物を手に入れる、そういう足るを知る価値観を、もう一回作り直さないと、まやかしを見せられ続けることになるんじゃないでしょうか?
 どうせ、安いのに良い物を求めるモンスターばっかりなんだから、ホントのことをセキララに知らせても良いことないんじゃないか?
 そんな、消費者とメーカーが、敵みたいなことになってて、ホンマに良いんですかね。

 軽く見られているよね、そう思って書き始めたけど。
 そんな価値観を、みんなして作ってしまっている時代が、透けて見えてしまった、かも。

 いや。
 大量生産大量消費の行きつく先。
 安くて良い物って、夢を見られなくなったのに、まだその夢を何とか維持して消費者に消費してもらおうという、バブルの残像にしがみついている、大手スーパーを、見てしまった気がした。
 それを言うなら、バブルの残像にしがみついているのは、消費者も一緒ってことか。
 戻ってこない過去に戻ろうと、夢の残像にしがみついているように見えるものは、他にもあるけど・・・・・・

 でもねえ。
 叶わない夢を見なくても、ほかにも、きっとみられる夢はあると思うんだけど。
by glass-fish | 2015-01-11 01:02 | 日常