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とんぼ玉作家ガラスのさかなの「タワゴト日記」

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再び、銀コロイド発色

 またまた、本題の前に。

 4日前の、ランちゃん。
 「キノさんたちと、あたち」
 お!韻を踏んでしまった。(^^;

再び、銀コロイド発色_a0163516_22354086.jpg

 アカダマキヌガサタケが上下に並んで出てました。
 でも、雨に打たれて、茶色いクレバがかなり流れてしまったので、上半分が白くなってます。
 ちなみに、下側のアカダマキヌガサタケが、先日の「きのさんとあたち」の、きのさんです。

 そうそう。
 あんまり、アップが少ないのも、いかがなものかと思って、久しぶりにブログを書いてみて。
 ふと、右側のランキングを見て、一番下の「そうだったのか……」というタイトルが気になって、久しぶりに読みに行きました。
 あ、銀コロイドの話。
 読んでいると。
 ふと、ヒヤッとしてしまった。
 何か、あれからいろいろ調べてみるとね。
 どうも、あの時の記事は、正確さに欠けていた。
 というか、間違いを含んでいるだろう、多分・・・・・

 銀による青白い発色が、銀コロイドによるものというのは、本当。
 銀コロイドの粒子が、金属状態の銀であるということも本当。

 一方で、銅赤の銅コロイド発色は、酸化第一銅の結晶の粒々による物。
 酸化第一銅による発色は、酸化第一銅の結晶の色。

 さて。
 問題の、金属銀の粒々による、銀コロイドの美しいブルーは、なぜブルーなの?って話で。
 苦し紛れにいろいろ調べていると、突き当たったのが、「表面ブラズモン共鳴」という単語。
 銀コロイドが、ブルーに見えるのは、「局所的表面プラズモン共鳴(LSPR)」という現象によるのだそうだ。

 それを調べていたのは、ふく蔵さんが終わった直後。
 あのときは、ちんぷんかんぷんなりに、もうちょっと何か核心に迫ろうとしてたのに。
 今となっては、その時調べたのが何だったのか、さっぱり覚えていない。(^^;

 というのもまずいので、もう一回、調べに行きました。
 60ナノメートルの銀の粒子に、白色光を当てると、波長450ナノメートルの青い波長の散乱が見られる。
 のだそうだ。
 この粒子の直径を変えることで、散乱を、400(紫)~530(緑)ナノメートルに調整できるのだそうだ。

 前のブログを書いたときは、銀の粒子の直径と同じ波長の光が銀の粒子に吸収されるんだと思っていた。
 で、吸収されなかった色が見えると、思っていた。
 違った。
 青い光の波長は、銀の粒子の直径の7.5倍で、波長の方がはるかに大きい。

 「銀ナノ粒子は、粒子の大きさや形状に応じて、色を持ちます。光と銀ナノ粒子との強い関係は、特定の波長の光に励起された際に金属表面の伝導電子が集団的な振動を起こすためです。」
 って、何が起こってるん?

 何が起こっているかはともかくとして。
 銀ナノ粒子の挙動として調べられたグラフが出ていまして。
 10nm~40nmのサイズでは、波長400nm付近(青紫)の散乱が。
 60nmのサイズでは、波長450nm(青)の散乱が。
 100nmのサイズでは、波長540nm(緑)の散乱が起こるようだ。

 そして、複数のナノ粒子が凝集してくると、その表面で起こる表面プラズモン共鳴は個々のナノ粒子の共鳴よりも、より長波長側にレッドシフトすると、書かれている。
 レッドシフトって、カッコイイですよね。
 凝集してくると、緑よりも、もっと黄色く見えてくるということですね。

 という訳で、銀コロイドによって、紫~青~緑~黄土色の色の変化が起こる時の、銀コロイドの状態がどんな状態なのかは、分かりましたね。
 まあ、そういうことで、一応「スッキリ」ということにしておきましょう。


 銀による発色の玉に出る、光学的現象は、複数あると思います。
 金属銀のメタリックな色。
 金属銀のナノ粒子のコロイドによる発色。
 金属銀の発色の縁の部分に出る虹色。

 虹色が出るのは、薄膜の干渉による発色だと思っていた。
 今となっては、絶対と言い切れないのだけれど。
 比較的厚みがしっかりしているメタリック光沢の縁の部分に出て、虹色のグラデーションが見えるので、やはり、薄膜の干渉という現象が起きているのだと思う。
 もしくは、CDの溝に虹が見える、回折という現象。
 薄膜の干渉か回折という現象が起きているとすれば、薄膜の厚みが、青紫~青~緑~黄~橙~赤の可視光線の波長と、オーダー(桁)が同じくらいだということになる。
 紫の一番波長が短いところで、380nm。
 赤の一番波長が長いところで、750nm。
 銀ナノ粒子のコロイドの発色の時の粒々のサイズよりも、5~75倍分厚い世界で起こっていることになる。

 そんなこんなで。
 銀を使った発色の作品では、いろいろな部分の発色がどうやって起こっているのか類推する。
 それを起こすためには、どうコントロールすれば良いのか?
 それを、現象から類推する。
 そうすると、何となく、再現性が高くなって来る。
 再現性が高くなってくると、しめしめ。
 本当にそういう、類推に類推を重ねた物が、正しいかは別として。
 しめしめ。
 それは、ナイショ。
 教室の生徒さんには、もちろん、お話はしますが。
 「今の、良く分かりません」という反応が返って来ることも多いけどね。
 ここから先、知りたければ、ぜひ、お教室へ。
 今、生徒さんが減っていて、ガラガラなので、いつでも大歓迎です。(笑)
 でもって、どうしても、その時のマイブームの課題が多いので、ウチの教室は、今、銀箔課題三昧です。ほんまに。



 以下、余談なので、面倒な人はスルーしてね。

 そういえば、60ナノメートルの銀ナノ粒子って、60ナノメートルの間に、何個くらい銀原子が並んでいるんだろう?
 と、そんなアホな疑問が湧いて来た。
 金属銀は、面心立方格子構造で、格子定数が、4.0862オングストローム。
 面心立方格子の格子定数って、どのサイズ?
 ってことで、調べてみて。
 4.0862オングストローム=0.40862ナノメートル。
 並んでいる銀粒子の中心から中心までの距離は。
 0.40862×√2÷2≒0.28893ナノメートル
 ということは。
 60÷0.28893=207.657
 という訳で、計算がまちがってなかったら。
 銀粒子が、一番長いところで、207個くらいつながっている感じ?
 ホンマかな?

 直径60ナノメートルの球体の体積は。
 (4/3)×3.14×30×30×30=113040 立方ナノメートル
 格子定数が、0.40862ナノメートルの面心立方構造なので。
 一辺が0.40862ナノメートルの立方体の中に、銀原子が4個ある状態らしい。
 この立方体の体積は、0.40862の3乗なので、
 0.068227・・・・・・立方ナノメートル
 60ナノメートルの球体の体積の中に、この立方体が何個入るかというと。
 113040÷0.068227=1656822個
 この立方体の中に、銀原子が4個入っているので。
 1656822×4=6627288.3・・・・
 直径60ナノメートルの金属銀の球体の中には、660万個くらいの銀の原子が入っている。

 みたいな。
 計算合ってるかな?
 そういう粒子が、ガラスの中にたくさん浮かんでいると、波長が450ナノメートルの、青い色の光を散乱させる。


 余談でした。


 表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance)
 実際には、どういう現象が起こっているのか?
 それが分からなくても、とんぼ玉の発色は起こる。
 でもでも、気になるんです。

 いろんなところの表面プラズモン共鳴の話を読んでいて。
 ちょっとだけ分かった気がする。
 銀の粒子の表面に、白色光が当たる。
 表面の伝導電子が励起される。
 伝導電子の励起って、どういうこと?
 ヘリウム、ネオン、キセノンなどの、原子単体でガスになっている物の励起の話は、学生の頃に聞いた。
 原子表面にある軌道電子が、一つエネルギーの高い軌道に引き上げられるという状態。
 でも、金属銀の塊の表面って、電子はどうなってるのん?
 それが励起されるって、どういうこと?
 まあ、本来いる場所からすると、エネルギーの高い状態の時にいる場所に引き上げられるということ?
ということは、表面の伝導電子に、光のエネルギーが受け渡される。
 それによって、電子が集団的に振動するらしい。
 どういう状態を、振動って呼ぶのか?
 特定波長の一つの光が、一つの電子を励起する。
 励起された電子は、入ってきた光と同じエネルギーを、そのまま放出して、エネルギーの低い、元の安定な状態に戻る。
 すると、その時放出された光が、隣の電子を励起する。
 それがまた光を放出して、元の状態に戻り、光がそのまた隣の電子を励起する。
 そういう状態が、金属銀のナノ粒子の表面を伝わって行くということか?
 そう考えると、何となく、納得がいく。
 だからこそ、ナノ粒子の表面で起こる、局所的表面プラズモン共鳴は、速やかに減衰するのか。
 表面が小さいからね。
 隣の原子に、光が当たると思いきや、ふと、向きが変わると、外へ出て行ってしまうっていうことだから。
 それが、散乱されるっていうことなのかな?
 そういうことなら、入って来た光と、放出されたときの光の向きが変わっているもんね。
 だったら、なぜ、銀の粒子の表面の形状や大きさで、散乱される波長が違うのか?
 「共鳴条件は、光量子(フォトン)の周波数が、正電荷の原子核の復元力に対して周期的に振動する表面電子の自然周波数と一致するときに達成される」
 と書かれていますが。
 表面電子の自然周波数って、何?
 正電荷の原子核の復元力って、何?
 やっぱり、良く分からん。(^^;

 気になる。
 でも、それが分からなくても、とんぼ玉の発色は、コントロールできるのだ!
 多分。(^^;


by glass-fish | 2017-07-09 03:55 | ガラスのウンチク