銀は、安定的に黄色を発色するようなのですが、定番色ではありません。
もしかしたら、他の色と反応して、黒くなりやすいからかもしれません。
移ろう色としては、最も魅力的です。
銀箔を使うのが、一番身近な方法です。
地玉を巻いた上に銀箔を巻き、酸化炎で強く焼いて、ガラスに溶け込ませます。
この後、酸化還元度、温度、時間、不純物などの条件で、不思議な発色が始まります。
「コロイド生成」によるものです。
コロイドとは、小さな粒粒が、たくさん浮かんでいる状態。
コロイドは、できてから徐々に粒が大きくなり、青~緑~黄色~黄土色と変化します。
最も美しい、青と緑の瞬間は一瞬で通り過ぎ、黄土色になってしまいます。
この時、青くても黄土色でも、銀はガラスの中に溶け込んで存在するので、空気不足の還元炎で焼くと、表面に「金属銀の薄膜」が現れます。
薄膜は、水たまりの油膜と同じで、ちょうど良い厚さなら、虹色に見えます。
実際には、上記のいろいろな状態が混在します。
コロイドは粒子なので、透明ではなく、霞がかかったように見えます。
一瞬で通り過ぎる、美しい青~緑のグラデーションがきれいに出せたら、大成功です。
銀発色は、「宇宙空間」や「ホタル」などの表現にも、使われます。
陶芸の「窯変」には、銀は登場しません。
変化が速すぎて、陶芸の窯の中で焼かれると、いつも、地味な黄土色になってしまうので、注目されていないのでは?と思います。
画像1 黒い地玉に、銀箔を焼き付けた物。黒以外の色は、すべて銀の色。右下に虹色が出ています。
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