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とんぼ玉作家ガラスのさかなの「タワゴト日記」

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「ふく蔵」作品展 キャプション3

銀による発色


銀は、安定的に黄色を発色するようなのですが、定番色ではありません。
もしかしたら、他の色と反応して、黒くなりやすいからかもしれません。

移ろう色としては、最も魅力的です。
銀箔を使うのが、一番身近な方法です。


地玉を巻いた上に銀箔を巻き、酸化炎で強く焼いて、ガラスに溶け込ませます。
この後、酸化還元度、温度、時間、不純物などの条件で、不思議な発色が始まります。
「コロイド生成」によるものです。
コロイドとは、小さな粒粒が、たくさん浮かんでいる状態。
コロイドは、できてから徐々に粒が大きくなり、青~緑~黄色~黄土色と変化します。
最も美しい、青と緑の瞬間は一瞬で通り過ぎ、黄土色になってしまいます。
この時、青くても黄土色でも、銀はガラスの中に溶け込んで存在するので、空気不足の還元炎で焼くと、表面に「金属銀の薄膜」が現れます。
薄膜は、水たまりの油膜と同じで、ちょうど良い厚さなら、虹色に見えます。


実際には、上記のいろいろな状態が混在します。
コロイドは粒子なので、透明ではなく、霞がかかったように見えます。
一瞬で通り過ぎる、美しい青~緑のグラデーションがきれいに出せたら、大成功です。

銀発色は、「宇宙空間」や「ホタル」などの表現にも、使われます。


陶芸の「窯変」には、銀は登場しません。
変化が速すぎて、陶芸の窯の中で焼かれると、いつも、地味な黄土色になってしまうので、注目されていないのでは?と思います。


画像1 黒い地玉に、銀箔を焼き付けた物。黒以外の色は、すべて銀の色。右下に虹色が出ています。

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画像2 銀の上に一部琥珀色のガラスを乗せました。金属銀の縁に淡い青が。
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画像3 銀の上に琥珀色のガラスを乗せました。帯状の緑系の部分が、銀による発色。
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画像4 ベール状の立体的なお花。この薄い膜は、銀による発色です。
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画像5 宇宙のペンダントトップ。真ん中のブルーは、人工オパール。複雑な背景色は銀による発色。
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by glass-fish | 2017-04-22 05:45 | 作品展、イベント