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とんぼ玉作家ガラスのさかなの「タワゴト日記」

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「ふく蔵」作品展 キャプション4

銅による発色

ガラスで銅と言えば、安定的な、水色のガラス。
ところが、銅は、不安定な「赤」も発色します。


陶芸の世界では、辰砂釉、鈞窯釉などが、銅発色の釉薬です。
やはり、辰砂釉などでは、美しい赤を発色させるのが難しいようです。


銅発色の水色や緑色のガラスの中には、酸素不足の還元炎で焼くことで、赤く変化するものもあります。
色によっては、炎の中では赤いのに、炎から出ると、元の水色に戻るものもあります。
赤は、赤い酸化銅の結晶が、小さな粒粒のコロイドになった状態で、コントロール次第で、濁ったような赤や、鮮明な赤を発色させられます。
酸素不足の還元炎で焼くため、酸化銅のコロイドの生成だけでなく、金属銅のメタリックな被膜もできます。


陶芸の辰砂釉では、血のように赤い牛血紅(ぎゅうけつこう)、その赤に青紫の炎のような模様の掛かった火焔青(かえんせい)、ピンクまたは斑点のある鈍い赤色の桃花片(とうかへん)または桃花紅(とうかこう)の3種類の色があるそうです。


銅は、金属の中で、唯一、ある程度の大きさのものをガラスに入れても、割れない金属です。
銅線や銅板を使うことで、銅の様々な色を、出すことができます。
金属銅が酸化された「黒い酸化銅」。
それが、ガラスに封入されて、「赤い酸化銅の結晶によるコロイド」に変わる。
柔らかいガラスの中で、徐々に赤から「青(錯イオン)」に変わる。
銅板の本体からは、赤い色が剥がされるので、「銅の金属色」の部分が現れる。
コントロールによっては、それらをすべて、一つの玉の中に発色させることもできます。


画像1 地玉は黒、模様は水色のガラスです。水色部分が還元されて、辰砂釉の牛血紅のような赤を発色しています。

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画像2 鮮明な赤はセレン赤。緑色が銅発色のガラスで、還元炎によって、コロイド状の銅赤を発色。

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画像3 地玉は白。銅箔を乗せて酸化炎で焼くと、酸化銅がガラスに溶け込み、水色を発色します。
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画像4 ガラスの中に、銅線を封入した物。酸化した銅線がコロイド発色の赤を発色し、次第に、コロイド発色の赤が、銅青に変化します。
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by glass-fish | 2017-04-22 05:51 | 作品展、イベント