人気ブログランキング |

とんぼ玉作家ガラスのさかなの「タワゴト日記」

firegoby.exblog.jp
ブログトップ

<   2017年 04月 ( 11 )   > この月の画像一覧

「ふく蔵」さんの作品展、無事、終了しました

 「ふく蔵」さんの作品展、「多鹿由美 ガラスアクセサリー展 2017」、無事終了しました。
 売上は、例年の半分くらいでしたが、思ったよりも売れていて、黒字で終了できましたとさ。
 めでたし、めでたし。

 無事終了しました。
 このフレーズ、久しぶりですね。
 東寺さんの弘法市に出展していた頃、夜中に出て、高速を走り、夕方帰着のため、一回ごとに、そう書いていました。

 今回もまた、「無事」終了したと、言いたい気分です。
 本当に、みなさま、ありがとうございました。
 DM作品のマクラメを製作してくださった嶋口さん、アクセサリーを組むのを手伝ってくださった元生徒のTさん、加古川教室のNさん、搬入を手伝ってくださったFさん、搬入出ともに手伝ってくださったNさん、本当にありがとうございました。
 教室展に作品をお出しいただいた、生徒さんたちも、ありがとうございました。
 スポットライトを貸して下さったKさん、展示内容に不安があって私が後ろ向きになっていたため本来の業務外なのにキャプションの印刷までさせてしまった担当のHさん、他スタッフの方々にも、お世話になりました。ありがとうございました。
 そして、お越しいただいたみなさま、お買い上げいただいたみなさま、本当に、本当に、ありがとうございました。

 毎年、年明けからは、ふく蔵さんの作品展のための製作期間になる訳なのですが、年明けから搬入までの期間、製作時間は、例年の半分以下でした。
 もう、どうしようもない状況。
 搬入8日前に、けっこう日頃から関わりの多かった叔父が亡くなり、5日前にお通夜。お葬式には行けず、悲しかったです。
 で、搬入2日前の小野教室の開催中に、アクセサリーも組んでくれた加古川教室の元生徒さんのTさんが、小野教室まで来てくれて、その場で、値札をつけてくれました。
 ホンマに、究極、彼女がいなかったら、「ぎゃ~!!!」って、宇宙に向かって吠えていたと思う。
 作品も、見栄えのするものがなくて、嶋口さんがいなかったら、今年の開催自体、尻込みしていたと思う。
 そして、本来のお勤めもある中、急にアクセサリーを組むのを依頼したのを、快く引き受けてくれたTさんNさんなしでは、多くのアクセサリーが出せる形にならなかった。
 搬入出も、一人では、終わらなかったと思う。
 本当に、本当にありがとう。
 「無事」、終えられました。
 嬉しいです。

 今年、お財布を変えました。
 白いお財布を買ったつもりが、ネット通販のため、届いてみれば、パープルという名の、ピンクのお財布でした。
 ちょうど良いや。
 お年頃からしたら、可愛過ぎる気もするけど、風水的には、ピンクは人間関係の運気を上げるんですって。
 私に足りないものだし。
 ホンマに、この数か月は、お仕事でも、家族のことでも、多くの方々のお世話になりました。
 もともとは、素直に「お世話になる」のが苦手な人で。
 でも、否応なく、お世話にならないとやっていけない状況に追い込まれ。
 お世話になれたことが、ここ数か月で起こった「良いこと」ですね。
 自分の力だけでは、どうにもこうにもならない時、助けてもらえることで、本当の意味での人とのつながりを感じられる気がします。
 お世話になって、感謝して生きていけることは、幸せなことだなあと思いました。
 それを、何かの形で、他の誰かにでも構わないので、どこかで返せたらいいなあと思う、このごろです。
 ↑まだまだ、お世話になり続けてますけどね

 内容的には、不完全燃焼でした。
 でも、限界がある中でするしかない、そういう物も呑み込んで、進んで行くのがあるべき姿やなあと思います。
 毎年来ていただいている方で、今年、物足りないと思われた方がいらっしゃったかも知れない。
 それはまた、この先、数年がかりで、リベンジしようと思います。

 来年の準備、もう始めようかな。
 この頃、自分が着けたいアクセサリーっていうのを考えるのが、楽しいです。
 ネックレスだけじゃないもので、もっともっと使い勝手の良い物で、ちょっと捻りと個性が効いている物を、形にしたい今日この頃です。
 次回には、もっと私の世界を、ふく蔵さんの空間に展開できるよう、また頑張ります。


by glass-fish | 2017-04-24 03:58 | 作品展、イベント

ふく蔵さんのキャプションを紹介しました

 「ふく蔵」さんの作品展で展示しているキャプションを、紹介しました。

 一部、コントロールの部分で、ちょっとだけヒミツのところがあって、書き換えています。
 ↑ケチ(^^;

 キャプションを書くに当たって、めんどくさく理屈っぽくなると、アクセサリー展としては、美しくない気がして、できるだけ分かりやすく努力してみました。
 まあ、あまり、内容まで読まれる方は、少ないです。
 でもま。
 ちょっと、こんな世界を覗いてもらうのも良いかなあと思って。

 実は、コロイド発色に関しては、いろいろギモンが以前からあって、ついつい、調べるのに時間を費やするという羽目に陥りながら・・・・・・
 けっこう、自分なりにすっきりしたところもあったりしました。

 だったらさ。
 コロイドでない発色は、何なん?
 そんな疑問が浮かんできます。
 まあ、性分ですね。
 例えば、同青の青は、どんなメカニズムで発色してるんやろう?

 調べましたとも。
 そしたら。
 てっきり、銅イオン単体で色が出る物と思っていたら、違ったんです。
 銅の化合物で、「錯イオン」の状態になることで、水色は発色しているんだそうだ。
 銅イオン単体では、無色。
 錯イオンが発色するメカニズム。
 物理化学と言うジャンルなんだと思うのですが、結晶場理論というのに、突き当たりまして。
 短い文章ですが、何回も読み返しては、うんうん、唸りました。

 銅イオン単体では、d軌道という軌道上にあるいくつかの電子は、すべて同じエネルギーを持つ。
 ところが、銅錯体という、銅が真ん中で例えば正八面体(ピラミッドが二つくっついた形)の立体的な化合物を作ると。
 真ん中にいる銅のd軌道の電子は、軌道上のどこにいてるかによって、エネルギーが高い物と低いものに分かれるらしい。
 で、このエネルギーの高い電子と低い電子のエネルギーの差と同じエネルギーを持った光を吸収する。
 というもの。

 ここからは勝手な解釈ですので、ちゃんと検証された物ではなく、私の脳ミソの中のストーリーです。
 銅イオン状態の銅のd軌道と言うところにある電子のエネルギーは、すべて同じ。
 まあいえば、単独で浮かんでいる惑星に同じタイプの人工衛星を打ち上げたら、同じスピードで回っている物は、同じエネルギーを持っていると言える。
 ところが、この惑星に、大きな月が、6個浮かんでいたとしよう。
 すると、その月の引力に影響を受けて、人工衛星が飛ぶ場所によって、より大きなエネルギーで飛ばないといけない場合と、比較的小さなエネルギーで跳んでいて良い場所があるって感じ?
 で、外からエネルギーがやって来る。
 エネルギーの小さな人工衛星は、そのエネルギーを吸収して、より大きなエネルギーを持ち、大きなエネルギーで回らないといけない場所を回り始める。
 って、そんな感じ?

 人工衛星に例えたけれど、実際には、ミクロの世界で起こっていることなので、いろいろ違うところがあると思う。
 この、外からやって来るエネルギーと言うのが、光で。
 光の粒子一つを見た時、光のエネルギーは、波長が長いと小さくて、波長が短いと大きい。
 電子が吸収するエネルギーを持った光というのは、いつも同じ波長の光で。
 私たちの目には、その光がなくなって、残った色が見えているということ。

 この錯イオンが、安定してあるようにすると、いつでも同じ色に見える、
 焼き方で、出たり消えたり、大きさが変ったりすることで、くるくると色を変えるコロイド発色と違って、安定的な色が出ることになる。

 なるほど。
 何となく、すっきり。

 あ、でもでも。
 銅コロイド発色は、赤の濃淡程度しか色が違わないのに、なんで、銀コロイド発色は、「青~緑~黄~黄土」って、色が変化するんだろう?
 で、調べてみて。
 何となく、そういうことかって、思ったんですけどね。

 って、訳の分からん話は、このくらいにしておきます。(^^;

 ふく蔵作品展、あと2日ですが。
 ぜひ、お越しくださいね。


by glass-fish | 2017-04-22 06:35 | 作品展、イベント

「ふく蔵」作品展 キャプション6

オパール

実は、オパールコレクターです。
予算もあって、「裸石(ルース)」を買います。


最近、質の良い人工オパールが、登場しました。
天然のオパール好きとしては、複雑です。
でも、人工オパールも、手にしてみれば美しい。
天然の物と違って、縞模様ができるのが特徴です。
二酸化ケイ素の結晶の粒粒が寄り集まってできていて、その中に、同じサイズの粒粒が膜状に並んだ場所で、光の「回折現象」によって虹色が見える、そのメカニズムは同じ。
縞模様が見えない方向を正面にカットされた人工オパールは、天然の物と見分けがつかないほど、品質が良いのです。


ただ、天然のオパールは、必ずわずかに水分を含んでいて、高温になると割れてしまうため、耐熱ガラスの中に封入することはできません。
ガラスに封入されていることが、人工オパールの証拠でもあります。
水滴の中に浮かんだような虹色を手にすることができるのは、人工オパールがあったからこそ。
だったら、人工も良いかも。


「オパールはキューピットストーンとして知られており、恋愛によく効き、手に握って願いを込めると、願いがかなうと言われています。その虹の輝きから、希望を象徴し、幸せを運ぶ石とされています。」
自分でそんな文章を書きながら。
私物のオパール封入ペンダントを身に着けると、なんだか気分が上がってきます。


by glass-fish | 2017-04-22 06:04 | 作品展、イベント

「ふく蔵」作品展 キャプション5

鉄による発色


黒いガラスは、扱いが難しい。
うっかりすると、「銀化」という状態になってしまう。
表面にメタリック光沢の被膜がかかり始め、徐々に厚くなり、最後には、泡を吹きだして表面がざらざらになってしまう。
きれいな黒が欲しいとき、この銀化は、とても厄介な物です。


ただ、メタリック光沢の被膜はとてもきれい。
酸素が多い酸化炎で焼いていると、銀化が進みます。
銀や銅などでは、酸素不足の還元炎で焼くと、化合物だったものが金属状態に戻ることで、メタリックになるのとは逆。
酸化鉄(Ⅲ)の結晶なのだそう。
赤錆やヘマタイトという鉱物と同じもので、赤錆とは似ていないけれど、ヘマタイトとは光沢がそっくりです。
陶器で、油滴天目茶碗、禾目(のぎめ)天目茶碗というものがあって、黒にメタリックな被膜がかかった茶碗です。


陶芸の世界の油滴天目も、黒の銀化も、黒の上にメタリックがかかる。
ふと、背景が真っ黒でなくて、表面にメタリックな被膜がかけられないかと思った。
ずっと前に、他の目的で試した時の失敗を、上手く応用したら、透明なガラスに酸化鉄(Ⅲ)結晶の被膜がかかりました。
被膜ができてから、つるっとした膜だったものを、質感を変化させると違う色の輝きになって、きれいです。
薄い部分で、薄膜の干渉によって、虹色の光沢が出ます。

陶芸釉薬としては、鉄は、もっとさまざまな色を発色する色のようです。
青磁釉(水色)、黄瀬戸釉(黄色)、天目釉(黒)など。
が、いろいろな物質が関わっているようで、そこまでは手が出せません。



画像1 黒と赤の玉。黒の部分は、あえて、酸化鉄(Ⅲ)結晶被膜の銀化を起こしています。

a0163516_09181272.jpg

画像2 白い地玉の上に、黒のガラスをうすく伸ばしてみた物で、酸化炎で焼くと、銀化しました
a0163516_09182242.jpg

画像3 地玉を、クリアにしたもの。銀化の被膜を変化させて。少しゴールドがかった色になりました。真ん中の奥の少し左寄りの部分に、虹色が見えます
a0163516_09185478.jpg


by glass-fish | 2017-04-22 06:02 | 作品展、イベント

「ふく蔵」作品展 キャプション4

銅による発色

ガラスで銅と言えば、安定的な、水色のガラス。
ところが、銅は、不安定な「赤」も発色します。


陶芸の世界では、辰砂釉、鈞窯釉などが、銅発色の釉薬です。
やはり、辰砂釉などでは、美しい赤を発色させるのが難しいようです。


銅発色の水色や緑色のガラスの中には、酸素不足の還元炎で焼くことで、赤く変化するものもあります。
色によっては、炎の中では赤いのに、炎から出ると、元の水色に戻るものもあります。
赤は、赤い酸化銅の結晶が、小さな粒粒のコロイドになった状態で、コントロール次第で、濁ったような赤や、鮮明な赤を発色させられます。
酸素不足の還元炎で焼くため、酸化銅のコロイドの生成だけでなく、金属銅のメタリックな被膜もできます。


陶芸の辰砂釉では、血のように赤い牛血紅(ぎゅうけつこう)、その赤に青紫の炎のような模様の掛かった火焔青(かえんせい)、ピンクまたは斑点のある鈍い赤色の桃花片(とうかへん)または桃花紅(とうかこう)の3種類の色があるそうです。


銅は、金属の中で、唯一、ある程度の大きさのものをガラスに入れても、割れない金属です。
銅線や銅板を使うことで、銅の様々な色を、出すことができます。
金属銅が酸化された「黒い酸化銅」。
それが、ガラスに封入されて、「赤い酸化銅の結晶によるコロイド」に変わる。
柔らかいガラスの中で、徐々に赤から「青(錯イオン)」に変わる。
銅板の本体からは、赤い色が剥がされるので、「銅の金属色」の部分が現れる。
コントロールによっては、それらをすべて、一つの玉の中に発色させることもできます。


画像1 地玉は黒、模様は水色のガラスです。水色部分が還元されて、辰砂釉の牛血紅のような赤を発色しています。

a0163516_09151271.jpg

画像2 鮮明な赤はセレン赤。緑色が銅発色のガラスで、還元炎によって、コロイド状の銅赤を発色。

a0163516_09152830.jpg

画像3 地玉は白。銅箔を乗せて酸化炎で焼くと、酸化銅がガラスに溶け込み、水色を発色します。
a0163516_09154022.jpg

画像4 ガラスの中に、銅線を封入した物。酸化した銅線がコロイド発色の赤を発色し、次第に、コロイド発色の赤が、銅青に変化します。
a0163516_09155231.jpg


by glass-fish | 2017-04-22 05:51 | 作品展、イベント

「ふく蔵」作品展 キャプション3

銀による発色


銀は、安定的に黄色を発色するようなのですが、定番色ではありません。
もしかしたら、他の色と反応して、黒くなりやすいからかもしれません。

移ろう色としては、最も魅力的です。
銀箔を使うのが、一番身近な方法です。


地玉を巻いた上に銀箔を巻き、酸化炎で強く焼いて、ガラスに溶け込ませます。
この後、酸化還元度、温度、時間、不純物などの条件で、不思議な発色が始まります。
「コロイド生成」によるものです。
コロイドとは、小さな粒粒が、たくさん浮かんでいる状態。
コロイドは、できてから徐々に粒が大きくなり、青~緑~黄色~黄土色と変化します。
最も美しい、青と緑の瞬間は一瞬で通り過ぎ、黄土色になってしまいます。
この時、青くても黄土色でも、銀はガラスの中に溶け込んで存在するので、空気不足の還元炎で焼くと、表面に「金属銀の薄膜」が現れます。
薄膜は、水たまりの油膜と同じで、ちょうど良い厚さなら、虹色に見えます。


実際には、上記のいろいろな状態が混在します。
コロイドは粒子なので、透明ではなく、霞がかかったように見えます。
一瞬で通り過ぎる、美しい青~緑のグラデーションがきれいに出せたら、大成功です。

銀発色は、「宇宙空間」や「ホタル」などの表現にも、使われます。


陶芸の「窯変」には、銀は登場しません。
変化が速すぎて、陶芸の窯の中で焼かれると、いつも、地味な黄土色になってしまうので、注目されていないのでは?と思います。


画像1 黒い地玉に、銀箔を焼き付けた物。黒以外の色は、すべて銀の色。右下に虹色が出ています。

a0163516_09060519.jpg

画像2 銀の上に一部琥珀色のガラスを乗せました。金属銀の縁に淡い青が。
a0163516_09061789.jpg

画像3 銀の上に琥珀色のガラスを乗せました。帯状の緑系の部分が、銀による発色。
a0163516_09062680.jpg

画像4 ベール状の立体的なお花。この薄い膜は、銀による発色です。
a0163516_09063890.jpg

画像5 宇宙のペンダントトップ。真ん中のブルーは、人工オパール。複雑な背景色は銀による発色。
a0163516_09064793.jpg




by glass-fish | 2017-04-22 05:45 | 作品展、イベント

「ふく蔵」作品展 キャプション2

コロイドと結晶と薄膜と

炎の酸素量や、温度、焼き時間を変えても、いつも同じ色に発色する安定的な色。
どんどん変化していく、不安定な移ろう色。
移ろう色を追いかけると、欲しい色を再現するのに、どうしても何が起こっているのかが知りたくなります。


移ろう色を考えたときに登場するのが、コロイドと結晶と薄膜です。


銀と銅の移ろう色は、「コロイド生成」によるもの。
コロイドとは、目に見えない小さな粒粒がたくさんある状態。
調べてみると、ガラスの中にできる粒粒は、酸化銀結晶と酸化銅結晶です。
目に見える大きな結晶ではなくて、小さな結晶が、とてもたくさんできて、長く焼いていると、粒粒自体が大きくなってきます。
特に酸化銀は、結晶自体の色が暗いせいか、結晶の粒の大きさによって、青~緑~黄色~黄土色と変化します。
酸化銅は、結晶自体の色がはっきりとした赤のため、粒子が小さいときは、鮮明な赤、粒子が大きくなるにしたがって、濁った不鮮明な色に変わります。
粒子が、結晶ならば、結晶ができやすい条件や、結晶が消える条件を考えると、コントロールできるはず?
コロイドは、粒粒なので、霞がかかったような色だったり、べったりとした霧のような色だったり、透明ではない、ニュアンスのある色になります。


コロイドの粒粒も結晶ですが、鉄の銀化の際に、表面にできるメタリックな被膜も、酸化鉄(Ⅲ)の結晶です。
酸化鉄(Ⅲ)の結晶は、本当に結晶らしい挙動をします。
空気が少なめの炎で、高温にすると、溶けます。
厚くなりすぎるようなら一度溶かし、もう一度。


いろんなところで登場する薄膜。
身近な薄膜は、しゃぼん玉や、水たまりの上に油が落ちたもので、虹色に見える。
薄い膜の表面で反射した光と、薄い膜の裏側で反射した光が干渉して、合わさった時に、強められて見える色と弱く見える色があるために、虹色に見えます。
それが何色かは、膜の厚さなどで決まります。
銀を使った玉の表面にできた、銀箔よりも、ずっとずっと薄い膜。
銅を使った玉にも、銅の薄い膜ができる。
黒いガラスの銀化でできる酸化鉄(Ⅲ)の膜も、やや厚めの膜もあれば、薄い膜もある。
とても薄い膜ができた時、虹色に見えるのです。

コロイドと結晶と薄膜は、ガラスだけでなく、陶器や鉱物(宝石や貴石も)を見る時にも、登場します。
はっきりした色もきれいだけれど、移ろう、一様でない色の中に、景色を見てしまう。
海、森、宇宙、その形の成り立ちに、同じ何かが働いているからかも知れません。


by glass-fish | 2017-04-22 05:39 | 作品展、イベント

「ふく蔵」作品展 キャプション1

移ろう色

ガラスの色は、安定的であることが求められて来ました。
何番の色は何色というように、いつも同じ色。
でもそれは、努力の結果なのです。
本来は、不安定で、移り変わる発色が、たくさんあります。


宝石や貴石などの「鉱物」、「ガラス」、「陶磁器」などの、発色元は、共通なものが多い。
工業的なガラス製品作りの際に、不安定なために使われなかった色の中には、「鉱物」として、「陶磁器」として、魅力的だと感じられてきた色があります。


陶磁器が、窯の中で焼かれる時に、色が変化することを「窯変」と言います。
この窯変と同じような、色が移り変わる変化を、ガラスでも起こすことができます。
陶磁器では、焼きあがって窯から出てきた時に、初めて、色の変化が分かる。
バーナーワークでは、目の前の炎の中で、刻々と変わっていく様子を見ることができます。
通り過ぎる、美しい一瞬を、ガラスの中に留められたら・・・・・・


偶然に出会った、移ろう色の美しい一瞬は、当てずっぽうでは、再び出会うことが難しい。
その偶然の再現を、何度も試みるけれど、どうしてもうまく行かない。
自分がどうやったのか、思い出す。
発色のメカニズムを、科学的な切り口で推測しながら、炎の酸素量や、温度、焼き時間、タイミング、不純物など、いろいろ変えてみる。
うまく行かず、一度、棚上げにする。
他の物を作った時に、ふと、ひらめきが来たりする。
そして、また、いろいろ試してみる。
そうやって、ついに出会えた時の感激は、ひとしおです。

そんな、移ろう色の一瞬を、ご覧ください。


by glass-fish | 2017-04-22 05:35

「ふく蔵」さん店番の谷間で

 「ふく蔵」さんの作品展、「多鹿由美 ガラスアクセサリー展 2017」開催中です。

 明日22日(土)の11時~14時と、明後日23日(日)の11時~16時に、ふく蔵さんで店番に行きます。
 最終日は16時で終わり、そのあと怒涛の搬出なので、16時までは、ずっといます。
 ヒマつぶしに、窯変話か介護話、あ、糖質制限話もあった、を聞いてやろうという方、是非、お越しください。
 もちろん、作品のお話だけして、じっくり見ていただくのが基本です。(^^;
 身に着ける物では、今年は、銀窯変が、けっこう良いと思います。
 作品は、まだまだ、たくさんあります。

 今までのところは、まあまあ、ノンビリです。
 16日(日)は、けっこう、たくさん来ていただいて、お買い上げいただきました。
 ただ、今年は、赤字確定やな。
 いろいろ出費もあったし、売り上げの方もノンビリなので。
 で、アクセサリーは、たくさんあるので、終わってから、売れ筋を少し追加製作してから、春日さんと、とんぼ玉ミュージアムに送ろうと思います。品切れと聞いてから、ずっとそのままのため。
 あと2か所は、もうちょっと経ってから考える。

 ふく蔵さんの会期に入って、前半のウィークデーは、ドタバタして、後半のウィークデーは、のんびりしました。
 睡眠不足と腰痛がひどいので、ヨレヨレです。
 腰痛とか書くと、あ、介護で?とか思われそうですが、違うんです。
 多分、ホットカーペットの上で寝てしまう生活が長くて、ベッドで寝てる時間が少なく、しかも、一畳のホットカーペットの周りから上から、アクセサリーを組むための部材がひしめいていて、狭いからだと思う。
 月曜の夜は、合計で、10時間寝ました。(^^)

 という訳で。
 昨日の夜、来年のふく蔵さんを目指して、こんなん作ってました。

a0163516_10383869.jpg
 ブレスレットサンプル。
 これは、1.5ミリの革紐で作ったのですが、本番は、とんぼ玉の穴をもうちょっと大きく作って、2~3ミリの革紐で作ろうと思います。
 スポッと入る、バングルタイプ。
 革紐のつなぎ目は、とんぼ玉の中。

 で、ふと思い立って作ったのがこれ。
a0163516_10384639.jpg
 指輪です。
 構造は全く同じ。
 あ、手荒れがひどいので、画像を明るくしてごまかしてます。(^^;
a0163516_10385468.jpg
 後ろ側から撮ってみました。
 こちらも、つなぎ目は、とんぼ玉の中。
 指輪は、1.5ミリ革紐でも良いかな。
 指輪は小さいから、ゴールドとか、カッパ―とか、派手目の色の革紐でも、抵抗なく使えそう。
 今年のDMのブレスレットと同じ向きにとんぼ玉がセットされていて、こっち向きのセッティングは、フィット感抜群です。

 また、他のことで動きだすと、そっちに気持ちが行くと思うのですが。
 今は、来年のふく蔵さんは、こうしようとか、いろいろ考えています。

 今年から個展なので、来年以降も、2人展とかにはせず、ずっと個展にします。
 他では、個展って、実現しにくい。
 自分だけの展示空間って、貴重なんです。

 こんなことをカミングアウトするのも何なんですが。
 最近、まじめに、試着してます。
 ↑太っていた頃は、着けてなかったんです(^^;
 というか、日常的に、ずっと何か着けています。
 そうすると、自分なら、こういうのを着けるとか、使い勝手が良くないとか。
 細かい部分の作りが雑だと、着けていて気になるとか。
 バブル世代のおばちゃんのため、意外と、ディテールが貧乏くさいのは気になってしまうのだった。
 余談ですが……うっかり、5キロリバウンド(2年前の夏レベル)中のため、急ぎ、3キロほど落とさねば。

 基本的に、素材が安物な感じが嫌なので、来年以降も、革とマクラメコードなどを多用して組むと思います。
 マクラメコードは、ポリエステルですが、質感が天然っぽくて、それでいて程よいつや感が、ヘンプ程カジュアルになり過ぎない所が良い。
 今までの作品展で作って来た定番商品が、何パターンかあって、それはサイズとかディテールとかをその年の気分に合わせて、毎年作って行こうと思います。
 一方で、その年のテーマに沿った、ちょっと遊んだものも追加。
 今年は、銅版と銅線です。
 銅版と銅線も、来年以降の定番に入れると思います。

 で、早、来年のテーマも、モヤモヤと考え中。
 ちなみに今年は、窯変で、「うつろう色」。
 来年は、形から行こうと思うんですけどね。
 まだ、それに見合った内容のができてくるかは、これからです。

 話は前後するのですが。
 今年、ふく蔵さんの直前で、アクセサリーの組み方に使えそうな方法を発見。
 どんな形にするのかを考えないと、実際には使えないため、棚上げ。
 その一部のバリエーションが、このブレスレットと指輪です。
 かなり自由度が上がったので、変な形とか、考えられそうで、ワクワクです。
 その辺は、また、これから。

 今年の「窯変」、ちょっとマニアックなキャプションも作りました。
 マニアな目線で見ていただくと、結構楽しいと思う。
 よろしければ、その辺も、ぜひ、ご覧くださいね。
 会期は、あと2日半。
 お待ちしております!






by glass-fish | 2017-04-21 11:08 | お知らせ(展示会等)

介護も、ちょっと、一息

 ふく蔵さんの作品展の初日、4月11日(火)の午前に、父が転院しました。
 その6日前に、母が転院した病院に。

 というわけで。
 二人して、今度は、同じ日に同じ北播磨総合医療センターに入院してしまった両親でしたが。
 急性期の治療を終えたということで、無事、転院が済みました。
 といっても、今後、その先を考えないといけない訳ですが。
 それでも、息を切らして走ってたのを、ちょっと、一休み。
 ホッとしました。

 父の方は、そこそこ、転院先にも慣れて、ご飯を食べさせてもらってました。
 母の方は、炎症の値が高いままなので、食欲があまりなく、また、何か考えないといけないのですが、急激な変化はないということで、まあまあ、落ち着いています。

 北播磨総合医療センターは広いので、フロアも全然違って、1回しか会わせてないのですが。
 今度の病院は、小ぢんまりしているので、2つ隣の病室です。
 多分、近くの部屋にしてくださったんだと思う。
 母がご飯を食べに行くデイルームと病室の途中に父の病室があるので、移動時に、ついでに寄ってもらえれば、顔を見ることができる感じ。
 「顔見た?」
 って母に聞いたら。
 「寝とったで。」
 と、つまらなそうに答えました。

 この病院は、私の工房のすぐそばにあって。
 私にしてみれば、「帰って来た」感があります。
 
 実は、この病院で、去年の末に、父が咬んじゃった事件がありまして。
 「入院をさせられない」と、強すぎるというか、なんでそんな言い方やねんって、酷い言い方をされましてね。
 もう、2度と来るか!
 父だけじゃなくて、みんな、絶対来ない!って、思ったんですよね。
 そのあと、検査のために紹介状を書いてくださった、かかりつけの先生のところに、「あれでは、この近隣の病院、どこでも入院はさせてくれないはず」と、書かれていたそうで。
 精神的に、めっちゃ追いつめられたんです。
 その時は、入院させないと決めた後で、父の警戒心がピークになる状況ができてしまったために、父が、ナースさんを咬んじゃって。
 だから、入院させへんって、先に言うたやん、そんな言い方せんでもさって、思ったし。
 とまあ、そんなことになってしまったのですが。

 思えばそれからですね。
 母にも、父の介護抵抗で、咬むとか叩くとか、させたらアカンって、プレッシャーをかけてしまい。
 実際、ぐったりした父にご飯を食べさせるのが一苦労で、私の筋肉痛もけっこうでしたが、母の疲労も半端なく。
 先に母の入院だった。

 入院させられへんって、どういうこと?
 いざというとき、どうしたら良い?
 いろいろ考えて、ナースさんの生徒さんお二人にも、いろいろ教えてもらい。
 ホンマにいよいよぐったりした父が、北播磨総合医療センターに救急搬送された後。
 すごくマメに病院に通いつめ、担当のナースさんに、介護抵抗があるからって、説明をし、父が知らない所にほかされた(捨てられた)と思わないように、なだめて。
 そうしたら、病院サイドでも、とても手厚くしてくださった。
 ご飯もなかなか食べてくれなかったのに、すごく努力してくださったし。
 そうするうちに、父が、病院に慣れてくれ。

 以降、すったもんだが満載で。
 最初の父の入院の後の、退院後、退院してから、介護施設の利用頻度が、今までどおりは無理って話になって。
 それは、退院前のカンファレンスで説明してくれな、困るやん。

 等々。
 いろいろありつつも。

 母は、2つの病院を、2往復してるもんね。
 その間に、父は、一度は退院し、2度目の救急搬送後、今度は、母の転院先と同じ、今の病院に転院。

 あれほど、一度は精神的に追い詰められたのに、その病院にちゃんと受け入れてもらい。
 父が咬んじゃったナースさん(多分この人っていうひと)にも、母がお世話になり、その時一緒にいたナースさんにも、母がお世話になり、昨日は、父が、ご飯を食べさせてもらい。
 それを見て、泣きそうになりました。
 嬉しかった。(TT)

 ひどいことを言った先生は、相変わらず、よろしくないオーラを発しつつ歩いてはるように見える。
 何度か遭遇しましたが。
 行けてない髪型を、背後から見つつ。
 「やったったで!アンタはああ言ったけど、努力でどうにかなることを、ちゃんと、証明して見せたで!ざま見ろ!」
 って、心の中で、嘲笑ったのでした。

 それでも、父の転院が、意趣返しと言うか、自己満足では行けないと思っていた。
 だから、今回の転院も、一番いい選択肢と思えたから、そうした。
 穏やかに、ご飯を食べさせてもらっている父を見ていると、良かったって思います。

 ここは、まだ途上。
 この先も、考えないといけない。
 でも、ホンマにうれしいです。
 4か月後の、この状況を、あの時の私は知らない。
 でも、追いつめられたからこそできた努力だったし。

 そして、間違いなく、本当に多くの人にお世話になった。
 北播磨のナースさん、地域連携の担当者さん、先生。
 介護施設の人々。
 今の病院の、地域連携の担当者さん、母の担当の先生、ナースさん。
 何度か、窮地にハマって、困り果てた時があった。
 結局、母が入院したことで、母の担当の地域連携の方から、父の助言もいただいたし。
 状況次第で、どこでどんな方の手助けをもらえたかは、違ったかも知れないけど。
 求めれば、助けてくれる人は、いる。
 ありがたかったです。

 この一年。
 自分の無力さを、思い知った一年でした。
 弟は転職することになったし。
 両親のことも、いっぱいいろんな方に助けてもらって、やっとやっとだったし。
 今までは、人に頼るのが苦手で、できれば、そういう状況がないように行きたいと思ってたけど。
 それは無理。
 無力さを思い知ることは、悪いことではないと思う。
 そう、最初から、無力だったんです。
 今まで、認められなかった現実を、認めることにすぎず。
 そしたら、なんか、いろいろ、素直になれた。
 まあ、ちょっと、今までとは違う風が吹いた、一年だったかな。
 ちょっとは、殊勝になれた。
 今後も、そういう心掛けは忘れずにいられたら良いんだけど。

 明日、展示台を入れ終えてから、マッサージ屋さんに行って、両親とも転院完了の報告をしよう。
 ↑愚痴を聞いてくださるのも、重要な彼女のお仕事だったりして


by glass-fish | 2017-04-14 04:00 | 日常